2013年01月03日

Jeremy Renner @ Interview Magazine (USA:2009?)

宿題をいくつもかかえておりますが、美月さまが、『ハート・ロッカー』が上映中あたり?の頃、まだその作品でアカデミー賞ノミネーションや数々の賞を受賞することを考えもしていない、ジェレミーの率直なインタビューが掲載されているアメリカ「Interview」誌の記事を教えてくださいましたので、そちらをご紹介いたします。
(美月さま、ありがとうございます!)

Interview : Jeremy Renner

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インタビュー和訳は以下からどうぞ。

インタビュー:自ら負傷兵の自覚を持ったジェレミー・レナー

『ハート・ロッカー』はこれまでイラク戦争を描いた映画は成功しないという呪いを打ち破ろうとしています。
この作品には、口先ばかり長々と講釈をたれる高齢の共和党上院議員(『大いなる陰謀』)も出てこなければ、事実に対する大げさな偏見(『リダクテッド 真実の価値』)もライアン・フィリップ(『ストップ・ロス/戦火の逃亡者』)も登場しません。
この作品が持っているものは、ベテラン・アクション映画監督キャサリン・ビグローの真摯なメッセージと過小評価され続けてきた性格俳優ジェレミー・レナーの素晴らしい演技です。この作品は、まず6月の小規模公開に始まり、口コミが広がり少しずつ上映館が増えていきました。ストーリーは、3人の陸軍爆弾処理班のメンバーがイラクで、アメリカ軍に敵対的な地元民の好奇の目にさらされながら、ひたすら任務を遂行するというものです。チームのリーダーを演じるレナーは、まるで外科医のような素晴らしい腕を持つ軍でもぴか一の爆弾処理担当の軍曹で、彼のエゴは彼の体が現金化できる手形を切るような働きをします。
おそらく、身の毛のよだつようなジェフリー・ダーマーを描いた『ジェフリー・ダーマー』で最も知られているレナーにとって、『ハート・ロッカー』で主役を演じたとこによって、彼がこれからどんな活躍をするか約束されたようなものです。すでにレナーは将来について考えています。それについてはあなた自身が以下のインタビューで確認してください。彼はカート・コバーンを演じることすら気にしていません。(鳩の注:カート・コバーン:90年代のグランジ・ロックの代表格「Nivrana」の中心的メンバーで、躁鬱病から自殺を遂げ、バンドも幕を閉じた伝説的な人物です)


Q:映画は素晴らしかったですよ。


J:目に映るもの以上の作品だったろう?(笑)


Q:もちろんです。この作品が高い評価を得ていることをどう思いますか?いろいろな作品のオファーを受けたり、街で歩いていて気が付かれたりしませんか?


J:確かに、僕が今まで経験したなかではるかに大きなレベルの変化があったね。そしてそれを光栄に受け止めているし、ラッキーだと思ってる。ほら、『グリーン・ランタン』みたいな映画で、気がつかれるようになるより、よっぽど誇らしいよ。悪くとらないでほしいんだけど、それでも素晴らしいことだろうけど、実際僕がそうなりたかった形で、そういうことが実現したのが素晴らしいと思うんだ。


Q:ヨルダンでの撮影についてですが、現場の温度が耐え難いものだったそうですが、そういう環境の中で、どのようにして演技に集中したんですか?


J:まず気絶しないように意識を集中したよ。本当に気温が高くて誰もが苦しんでいた。集中したことといえば、そういう環境下でどう反応するかということだった。撮影前の1年間準備してきたことを実現することだっていう意味でね。そして外に出て、演技をする。確かに、本当にタフな状況だったし、俳優として仕事するにはタフすぎたよね。暑さでイライラしてしまいやすかったから。


Q:そんな中どのようにして気分転換していたんですか?


J:撮影現場じゃ気分転換なんてしなかったよ。一日15時間という長い撮影を終えて、ホテルに戻り、リラックスしようと、ワインを一本空けて、少し食べて・・・その日のことを話すのは、頭が痛くなる感じだよ。毎日ホテルに戻るとまるで春の到来を知るみたいな気持ちになったな。


Q:あなた自身がこの映画を観るのはストレスになりますか?


J:もう3回か4回観てるけど、観てるという感じじゃないね。観るのが辛いんだよ。個人的には、人生に一度しかこないめちゃくちゃ酷な状況を思い出させるから、だから別の見方ができないんだ。


Q:ヨルダンになれるのが大変だったんですね。文化の違いについてもそうですか?


J:ああ。僕はカリフォルニア生まれで、旅行もよくしてたけど、中東には行ったことがなかった。だから少しびびっていたし、行きたくないなとも思っていたんだ。でも、今はあそこがとても安全なところで、中東に行きたいならヨルダンがいいよ。イラク難民たちは争いごとを避けようとしていたし、またパレスチナ難民キャンプもあるんだよね。悪く取ってほしくないんだけど、僕らの泊まっていたホテルは、ライフルを持ったガードマンたちに囲まれていて、入るには金属探知機を通らないといけなかった。だから複雑な気持ちにもなったね。オーケー、僕らは安全だけれど、どうしてそういうことまでしなきゃならないんだ?これって脅しのためなんだろうかって。


Q:地元民の人たちとはうちとけましたか?


J:彼らはとてもうちとけてくれたよ。すごくオープンだし、愛情深いし、助けてくれたし、フレンドリーだった。だから素晴らしい経験をしたと思う。あと、アマン、ヨルダンは素晴らしく美しい場所だよ。紅海があって、死海があって、ペトラ遺跡(世界遺産)があって、世界の8不思議の一つなんだよ。なんでそこで撮影しなかったんだ!って感じだよ。


Q:『ハート・ロッカー』は初めて描かれた政治的メッセージを持たないイラク戦争映画だといわれていますが、本当に政治的なメッセージをこめなかったのか疑問に思っているんです。あなた自身はイラク戦争の政策について何か意見がありますか。


J:うーんと、僕の考えは政治は政治だし、これは映画なんだということだね。その二つは一緒にならないんだ。僕は、映画は人の意見を刺激するものだけれど、広告宣伝に使うべきものではないと思ってる。僕自身、そういう作品には出たくないし、ストーリーを語るにはふさわしくないと思ってるんだ。誰かが映画を演説台に使って、みんなに自論を披露するような場所じゃいけないんだ。個人的に『ハート・ロッカー』みたいな映画は大好きだよ。だって、この作品はどのように感じろとかどのように考えろとか押し付けがないだろう。でも考えたり感じたりすることを伝えているからね。


Q:あなたは作品の中で(『ジェシー・ジェームズの暗殺』『スタンド・アップ』)で歌を披露していますが、音楽の教育を受けていたのですか?


J:ああ。実はそうなんだ。まずすごく若い時にドラムを始めて、それからギターとピアノを習った。だから作曲ができるんだ。いつも歌ってたな。でも職業としては俳優と決めていたから、音楽は自分自身の娯楽なんだ。映画の世界だって難しいのに、音楽の世界なんて不可能だよ。だから友達を集めてバンドを組んで、レコーディングしてセッションとかをしたいけれど、それは僕自身の感情の発露のためっていうか。カメラもエージェントもいらない。ただピアノをもって歌うので、十分だよ。


Q:でも映画でも披露するのはいいんじゃないですか?


J:ああ、確かにもっと歌える作品があったらやりたいなと思うことはあるね。ロック・スター役とか。すごく、すごくやってみたいよ。

Q:もし過去のミュージシャンや最近のミュージシャンで演じるとしたら誰をやりたいですか?

J:わぉ、それだったら、カート・コバーンについての映画をやろうとしているんだ。面白そうだろう?これはすごいチャレンジだけれど、やれたら楽しいだろうな。他には思い浮かばないな。いま、ハリウッドで実際にあるプロジェクトはこれだけじゃないかな。
だから、やりたいね。


Q:あなたはこれまでに多くのタフガイ役を演じてきましたよね。『S.W.A.T.』しかり『28週後・・・』しかり『ハート・ロッカー』しかり。それはあなたの性格の一部の表れなのですか?それともたまたまキャスティングされただけなのですか?


J:わからないな。自分のことをタフガイだなんて思ったこともないけど。それから悪役もたくさん演じてる。ダーマーとか・・・とにかくたくさんの悪役。僕が思うには、そういうキャラクターの面の一部を僕が持ってるのかもしれない。『ハート・ロッカー』は、多くの点で僕が出ているよ。ユーモアのセンスとか無口なこととか、動きっぱなしになるところとか。でも、『ジェフリー・ダーマー』みたいな映画は・・・僕の中にはジェフリー・ダーマーに似ているところはほとんどないね。でも、みんな勘違いするんだよな。


Q:ジェフリー・ダーマーを演じていた時はどうでしたか?彼になりきるのは難しかったでしょうか?


J:うーん。あの仕事はすごく急にやってきたから、『ハート・ロッカー』みたいに十分に準備をする時間がなかったんだ。実際、ジェフリー・ダーマーが誰かも知らなくて・・で、脚本を読んだ4日後に撮影が始まって、2週間で撮り終えてしまった。ものすごい速さだったね。あの経験に関係していることといえば、たくさん仕事して、いろいろなちょっと怖い場所に行けたってことくらいだ。彼みたいな男を演じるのは、自分の中のおかしな部分をさらす自由が与えられるってことかな。それでもオーケーなんだよ。役つくりをするためには、自分をそこまで追い込まないといけないんだからね。

****

ジェレミーの演技に対する姿勢、映画とはどうあるべきか、いろいろなことがこの短いインタビューの中で語られていると思います。何も考えずにギャラだけで動く俳優もハリウッドではいるでしょう。しかし、ジェレミーのような頑固ともいえるポリシーを持った役者さんがいることがわかるだけでも、なんだか素敵なことのように思えます。

posted by dovescookies at 21:35| Comment(10) | Interviews | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
....そうか。やっぱり最初は小規模公開だったのですね。
でもやはり、良い作品、素晴らしい演技は誰かの目に留まるということですよね(例外もあるかもしれませんが)
違うインタビューでも、作品を選ぶ時は
「ギャラの金額とか、規模の大小じゃないんだ」って答えていましたものね。
ちなみに、新しくUPして下さったギターを抱えている画像、まさにカート・コバーンぽいと思ったのは私だけ??
Posted by mika at 2013年01月03日 23:02
鳩さん、今年初の和訳、本当にありがとうございます(*^∀^*)twitterのお知らせで知り、早速参りました♪

ハート・ロッカー。私達にはジェレミーと出会える重厚な作品ですが、ジェレミーにとっては、色んな想いがつまった作品なんですよね…。15時間も暑い日差しの中での撮影…、苛酷過ぎます…。以前鳩さんのブログで、ハート・ロッカーの撮影現場がどれ程厳しいものだったか、といった記事がありましたよね。パンチがきいた内容で、私もこの作品を観る目が変わりました。
でも、どんなに辛い経験をした作品も、魂を込めて演じたものだから、その経験から必ず何かを得ているから…。だからこそ、ジェレミーは自分が演じた作品や映画、仕事を愛することができるんでしょうね。私も自分の仕事を愛してみたいなぁ(^^)
そして、ダーマー。あの作品がそんなに短期集中で撮られていたものとは知りませんでしたΣ(゜Δ゜*)それなのに、ダーマーの複雑な心情をあんなに上手く表現されているなんて…。凄いです…。
鳩さんが仰る様に、改めて、ジェレミーの様な俳優さんがいらっしゃることは宝ですね。

そしてそして、ジェレミーは無口なところがあるんですね〜。それに、動きっぱなしになるところ…、うーん、想像するだけで可愛いです(#^.^#)♪
鳩さん、美月さん、本当にありがとうございました。
Posted by みー at 2013年01月03日 23:05
鳩さぶれ様

 遅くなりましたが、今年もこちらのHP楽しませていただきます。宜しくお願い致します。そして、またまた和訳ありがとうございます。(^−^)

 毎回、ジェレミーのインタビュー記事って、新しい彼の魅力の発見があります。そして、人生において上手く事が運ばない時のやり過ごし方とチャンスを最大限に生かす為に努力を惜しまないことを語りかけてるように勝手に感じます。「俺はこうして頑張るから、みんな見ていてくれ」みたいな。

そういう彼の信念的な部分がわかるとまた一段と好きになっちゃいますね。(●^o^●)

 美月様、この記事のご提供ありがとうございました。(^o^)




 
Posted by Kezy at 2013年01月03日 23:47
mika さま

確か撮影が始まっても、全米公開が決定しなかった位、大変な作品だったと記憶しています。しかし優秀な作品は口コミ(日本でいうと去年の「最強のふたり」みたいに)でどんどん映画館が増える現象が起こるのはどの国も同じなのですね。
そうそう、あのギターとの写真、かもしだす雰囲気がとってもカート・コバーンだなと思いました。Nirvana大好きです。
Posted by 鳩さぶれ at 2013年01月04日 15:51
みー さま

ジェレミーの作品選びには妥協がないのでしょうから、全力投球した作品で評価されるのが(当然ですが)努力が報われた勲章のような気持ちになるのかもしれないですね。おっしゃるとおり、ジェレミーのように自分の仕事にそれだけ愛情を感じてみたいものです(困)ジェレミーの無口だけど動き回るっていうのは、なんだか動画にも表れてて、鳩もかわいい人だなぁって思っちゃいました。
Posted by 鳩さぶれ at 2013年01月04日 15:54
kezy さま

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
彼のサクセス・ストーリーには、こんなに苦労したんだぜっていうメッセージより、そういう時にどうやって乗り切っていったかという処世術が含まれているのがすごいなと、鳩も思います。そういう彼のポリシーというかまさに信念が感じられると、ますます好きになっちゃいますね〜
Posted by 鳩さぶれ at 2013年01月04日 15:57
御忙しい中での早速の和訳をありがとうございます。
知れば知る程、ジェレミーの出演作品・キャラクターに対する考え等の素晴らしさに尊敬するばかりです。
「ジェフリー・ダーマー」、超早撮りの作品だったのにあの演技とは・・・(@_@)
ミュージシャン役のジェレミーも見たくなってきました〜^^
Posted by 美月 at 2013年01月04日 22:16
和訳、本当にありがとうございます。
彼らしくこちらが想像しているような彼がどんどん
濃くはっきり見えてくるようで嬉しいです^^
Posted by Motchy at 2013年01月05日 14:23
美月 さま

こちらこそ、素敵なインタビュー記事のご紹介ありがとうございました。まだ仕事はじめじゃないので、余裕がありました。来週からは時間との戦いです。
『ジェフリー・ダーマー』製作秘話に驚きましたね。ジェレミーの役作りの完璧主義者ぶりに感動です。ミュージシャン、いいな〜!
Posted by 鳩さぶれ at 2013年01月05日 16:20
Motchy さま

本当にインタビューを読めば読むほど、ジェレミー・レナーの人間像が浮き彫りになってきます。ブレないし、今もうかれてないし、どっしり構えている。人として信頼できるって思ってしまいます。
Posted by 鳩さぶれ at 2013年01月05日 16:21
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